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めまい

・内科医のためのめまいの診かた

耳鼻科の先生が書かれためまいの論文は多いが、神経内科医によるめまいの論文はそれほど多くはない。
耳鼻科に関連しためまいのなかで最も多い良性発作性頭位めまい症に対する浮遊粒子置換法は最近のトピックスでもある。
一方、私達神経内科医は外来で患者の診察をする時はいたって軽装備である。
その武器は問診に始まり 視診、聴診、触診、打診と神経学的系統質問や神経の検査である。
これらの少ない武器を使って めまいを訴える患者に対し、より正確な診断に迫る努力をしている。
今回はめまいに隠された重篤な病気を見つける方法や生命に危険のある病気を伴っためまいを見つける方法を説明する。
またそれらの危険なめまいを見つけた場合は患者にできるだけ早くそれに対する必要な治療方法を有する専門家の所へ
行って頂く。その振り分け方や 診断治療の方法について順を追って説明する。
>>>続きは「めまいの分類」へ

北野クリニック(内科)
北野英基

めまいの分類

めまいの四つの分類(表1)
患者が私達のオフィスに来院されてめまいを訴えられるとき、治療を開始する前にそのめまいがどういうめまいかを
診断する必要が有る。
そのためにはめまいを大きく四種類に分けてその各々の定義を我々医者側が正確に知っておく必要がある。
患者さんが訴えるめまい感は、Howard によると、

1)狭義のめまいdizziness
2)回転性のめまいvertigo
3)失調ataxia
4)その他、精神科と関係の深いめまい

と以上四種類に分類される。

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北野英基

狭義のめまい

1)狭義のめまい(dizziness)
この言葉の意味を簡単に述べるとimpending syncope失神一歩手前という事になる。impendingが何々の前兆とか
一歩手前という意味であるしsyncopeは失神であるから全脳虚血状態の一歩手前の状態がここで言うめまいdizzinessである。
神経内科の病気では唯一起立性低血圧症を呈する病気がここに含まれる。しかし dizzinessを呈するその他の病気は
その殆どが内科に属する。
失神の一歩手前とか失神は脳細胞内で酸素や栄養、特に糖分が不足している状態である。
体内では酸素は赤血球が運んでいる。
赤血球が肺で炭酸ガスを切り離して新鮮な酸素を取り込む。そして赤血球のHbと結びついた酸素は心臓のポンプの力により
頸動脈及び椎骨動脈経由で脳に送りこまれる。だからどういう種類の病気がここに分類されるかというと表2に示したように
肺での換気が悪くなる肺気腫、心臓のポンプの力が弱くなる心筋梗塞や心筋症、リズムが悪くなる不整脈、
赤血球の通路頸動脈及び脳内の動脈が狭小化する動脈硬化症、酸素を運搬する赤血球自体の減ってくる貧血である。
風呂に長時間つかっていて急に立ち上がった際に経験する一過性のものとして起立性低血圧症は殆どの人が
一度は経験している。しかし日常生活でこれを何度も経験する場合に、この起立性低血圧症の病名がつく。

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回転性のめまい

2)回転性のめまい(vertigo)
このvertigoは第8脳神経(聴神経)のバランスと関係しためまいである。自己や周囲の回転性感覚の錯覚とか幻覚とかと
定義されている。
この感覚は耳鼻咽喉科と深い関係にある。 第8脳神経は聴神経という名前がついているのであるが聴覚だけでなく
平衡感覚も司っている。
全く別の二種類の感覚が聴神経という第8脳神経の中に収まっている。だから問診の重要点としてめまいという訴えに
耳閉感、耳鳴り、耳痛の訴えや聴覚の訴えが加わると第8番目の聴神経に関係しためまいを第一番に考える。
また前庭系は脳幹の網様体内の自律神経中枢と連絡を有するので、めまいと同時に吐き気、むかつき、嘔吐、発汗、
顔面蒼白も出現する。
Vertigoの治療は耳鼻咽喉科の先生方におまかせする。

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足のふらつき

・小脳性のめまい

3)失調(ataxia)
足が「ふらつく」、「よろける」、「足が地につかない」とかこの失調の患者の訴えも種々雑多であるが
訴えのなかに「足」があるか、もしなければ訴えの言葉に「足」を加筆しても意味が通じるか、
また患者に「足もですか」とか「足がですか」とか聞いて「そうです」という答えが帰ってきたらこの第三の失調を考える。
それとこの失調の他の特徴は患者自身よりも周りの人、付き添いの人が先に気付き本人以上に周りの人が気にしている。
それと殆どの場合家族の人が付き添って病院や診療所を訪れる。例えばお酒を飲んで道をフラフラ歩いていても
本人はまっすぐ歩いているつもりであるし「私はまっすぐ歩いているよ」と言う。
これを周囲からではほっておけないほどふらついている。この失調は小脳の障害により生ずることが多く
そのなかでも脊髄小脳変性症による失調に対しては酒石酸プロチレリン(ヒルトニン)の注射をすると
その自覚症状は軽減するようである。小脳性の失調を来す病気には炎症性、 変性、血管性、中毒性、腫瘍の種々の病気がある。
小脳の病気の他、視覚 深部感覚 表在感覚等の末梢からのインプットが悪くなった場合すなわち末梢神経炎とか
末梢神経症が原因となっているめまいがある。

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分類の困難なめまい

・精神科領域のめまいを含む(めまいになりそうな感じ)

上記のどれにも属さないはっきりしないめまい感不安神経症に見られる過換気症候群があり、
ふらつきそうな感じ、倒れそうな感じ、めまいがしそうな感じの様に漠然としためまい感で
「何々しそうな」または「何々になりそうな」という言葉が不安感と一緒にきて、長く、時には何年も続いているとこのめまいを考える。
このめまいの特徴は「そうな」が訴えの中に入っているかまたは「そうな」を訴えのなかに付け加えても意味が通じる。
そして、後述する種々のめまい誘発検査(表5)をしても全て正常である。めまいの訴えが強いにもかかわらず所見が少ないか
全くないといったように訴えと所見の間に大きなアンバランスが存在する。この治療は抗不安剤や抗うつ剤の投与である。
うつでめまいがあり朝にそのめまいが悪ければトフラニール(塩酸イミプラミン)系統の薬を、また夜にそのめまいが悪ければ
トリプタノール(塩酸アミトリプチリン)系統の薬がよく効く。最近ではSSRI やSNRI系統の薬もよく使われる。
不安神経症でめまいがある時はその程度により、軽度レスミット(メダゼパン)、中等度エリスパン(フルジアゼパン)、
高度のめまいにはデパス(エチゾラム)と使い分けし、時にはメイジャートランキライザーのセレネース(ハロペリドール)を
使用する。軽症うつ病でめまいがある時はSSRIやSNRI等の使いやすい、副作用の比較的少ない薬を使用する。

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起立性低血圧症とめまい

この起立性低血圧症は表3に示した種々の病態で起こる。表2に示した内分泌性めまいの原因は主に糖の問題である。
糖尿病の治療中に低血糖発作を起こし めまいを訴える事がある。低血糖の治療には50%のブドウ糖液を適量静脈注射する。
この心臓から脳に行っている酸素やエネルギー源となる砂糖が減少した状態がdizzinessである。
患者がこの状態を訴える場合にいろいろな表現をする。しかし診察する医師側がその各々の定義をしっかり理解していれば
患者が「頭から血が引いたような感じ」と訴えても 「気が遠くなる」と訴えても「眼の前が真っ暗になる」と訴えても
「ああ失神一歩手前の状態だな」と医師は正確な診断ができるのである。
狭義のめまいには血管迷走神経反射異常とか頸動脈洞過敏症候群等もある。
すなわち視診で顔色の悪い患者がめまいを訴えている場合は応急処置を必要とする病態が多く
その治療が一刻を争うような内科の病気が多い。これら病気の際のめまいは危険なめまいである。

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ギランバレー症候群とめまい

この中に急に発生するものには運動性の機能低下を来たすギランバレー(Guillain-Barre)症候群に代表される病気があり
足のふらつきを呈する。
この治療には高単位ビタミンB群の投与、副腎皮質ステロイドのパルス療法、血漿交換療法、大量免疫グロブリン療法がある。
またパーキンソン症候群でも患者は足のふらつきを主訴として来院する場合がある。
パーキンソン病の三主徴が無動、固縮、振戦であることはよく知られているが、この病気の本質は重力に対する我々の位置を
保持する機能部分の変性であり随意運動が減少したり、歩行がすりあしになったり、前方や後方突進や、寝返りや、
寝起きに時間がかかったりするのはこの重力に対する我々の位置の保持に関する部分の問題である。
これらを患者は「ふらつき」や「めまい」と言って来院する。
治療は抗パーキンソン剤の塩酸アマンタジン、L-DOPA、ドーパミン受容体アゴニスト、ノルアドレナリン前駆体、
抗コリン剤があるが、塩酸アマンタジンが一番使い易く副作用も少なく高齢者にも比較的容易に使用出来る。
この薬剤を最初に患者に投与して、パーキンソン病によるめまいがそれでも軽快しなければ神経内科医に紹介状を書いて頂く。

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目は口ほどにものをいう

・神経眼科の知識

瞳孔の大きさは成人で普通の光のもとで大体4mm位といわれています。
小児や老人では小さくなっています。青い目の西洋人より茶色の目の東洋人のほうが
小さめだといわれています。
イリスコーダーを使わなくても交感神経と副交感神経との力関係やその緊張の度合を
瞳孔をみるだけで知ることが可能です。
過度の緊張状態や興奮状態や恐怖にさらされた状態では瞳孔は散瞳していますし
穏やかな状態とか眠たいときには縮瞳しています。
患者さんとのラポートが悪ければ散瞳していますし、よければ瞳孔は縮瞳しています。
全身の痛み、または知覚神経の刺激でも瞳孔は大きく開きます。
しかし異物が入ったときのように、目の中の持続的な痛みでは縮瞳します。
脳圧の昂進があると動眼神経の外側外周を取り囲むように位置する
副交感神経が圧迫され、結果として散瞳します。

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目は口ほどにものを言う2

・物が二つに見える

単眼複視といって片目で見ても物が二重に見えると患者さんが訴えたときは、殆どの場合眼科の病気であるから
眼科に送って精査していただきます。
次に両方の目を開けていると物が二重に見えるがどちらか片方の目を閉じると一つになるのを両眼複視といって
眼筋の運動麻痺か斜視です。
斜視では二つの像の問隔がどちらを向いても殆ど変わりませんが眼筋の運動麻痺では向く方向によって
二つの像の間隔が変わります。
二つの像が横に並んでいるのを水平複視といって脳神経の3番の動眼神経支配の内直筋がやられると
患側の目は内転できないか外転神経支配の外直筋との力関係で外へ引っ張られています。
脳神経の4番目の滑車神経の麻痺では片方の像が斜めに傾いています。
患者さんはそれが嫌なので頭を良い目の方に傾けています。複視を訴える患者さんが頭を左に傾けていてそれを
反対の右のほうに傾けてもらうと二つの像の問隔がさらに広がったら右の滑車神経麻痺です。
脳神経の6番目の外転神経麻痺では患側の眼球が外転できないか動眼神経の内直筋との力関係で
内側へ引っ張られています。二つの像が上下にならんでいるのを上下複視といって眼瞼下垂のあるのが
先程の動眼神経支配の上下転筋の障害によるものです。

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